2012年12月18日火曜日

2012.12.14 スペシャル・ミーティング!!



東北大学4年の田嶋と申します。
今回は私がブログの更新を担当します。

私は卒業論文のテーマとして、被災地に雇用を創出する取り組みやそれによる地域活性化の可能性について調べています。
いしのま★キッチンは地元のお母さんたちの生きがいとなる仕事の場を作り出す画期的な取り組みとして、テレビや雑誌でも取り上げられています。
地域活性化のヒントがここにあるのかもしれない、是非現場を見学したい!と石巻にやってきました。

キッチンに到着した頃には、弁当を買い求める人の長蛇の列。
お母さん型は、忙しく動き回り、目は殺気だっていて、さながら戦場のような(笑)厨房でした。
「生き生き☆笑顔で働くお母さん」というイメージを持っていた私は、到着早々そのギャップに唖然。しかし、これはテレビが映さない「現実」の、ほんの一端にしか過ぎませんでした。

翌日は、いしのま★キッチンプレオープン後初めてとなる、お店を閉めてのミーティングに同行させて頂き、キッチンのお母さんたちとパレス松州へ。

忙しいお母さんたちがようやく集まることができたこの日、店内の改装に向けたミーティングが行われました。


ミーティング開始直後から、激しく意見が飛び交いました。
(これでも前よりは落ち着いてきたと言われましたが…)




プレオープンから半年、皆さんが手探りの状態からなんとか店を切り盛りしてきたこと、各々が店に対して不満や問題意識を抱えているけれども、それらを解消したり共有したりする余裕もなく日々の仕事に追われていること、そして経営が本当に苦しく、代表の鹿島さんに莫大な負担がかかっていること…。
議事録を取りながら、半年間キッチンが抱えてきたものの重さを感じて苦しくなりました。
メディアが伝える明るく綺麗な分かりやすいストーリーではなく、
もっと生々しく厳しい現実とか、複雑な人間関係が、そこにありました。

それでも、笑顔で明るく、お客さんにとって居心地の良いお店を作りたいというところで、気持ちを共有することができる。そこにみんなで気づいたときに、空気がふと軽くなったように感じたのもまた事実です。

「いしのま★キッチンが出す料理は家庭の味で、わざわざ店に来てまで食べるようなものではない」
という声もありましたが、その味に価値を見出している人もたくさんいると思います。震災中、あたたかいご飯が食べられるということに、どれほどの人が感謝の気持ちを持っていたか。いしのま★キッチンはそれを思い出させてくれる場所です。
経営していくためにはお金の問題はどうしても避けられないけれど、もっと根本的な、人間らしい喜びを幸せと感じられることが抜け落ちているのも問題なのだと思います。(ここが両立していけたら、日本の働き方も変わるのかもしれないなと考えていました)

そして、お母さん方の想いをベースに、乃村工藝社の中村さんからリニューアルしたデザインの説明がありました。
乃村工藝社の方々は、ボランティアでいしのま★キッチンの改装を全面的にサポートしています。限られた資金でできるように、資材の工夫をされています。
この日もわざわざ東京から夜行バスで駆けつけて頂いたとのことでした。
外部の業者として、ではなく、一緒にいしのま★キッチンをつくるチームの一員として、真剣にプロジェクトに関わっていらっしゃる姿勢がとても印象に残っています。
それは、乃村工藝社の方々は、距離的には遠い位置にいるけれども、意識が限りなく石巻の方々と近いところにあったからです。

震災後1年9ヶ月を経て、仙台ですら、震災の記憶というのは風化しつつあります。
正直に言うと、私は石巻に来て、昨日遭ったことのように皆さんが震災の話題を口にすることに驚きました。もう、そんな感覚で話題にすることがなかったからです。
だけれども、まだ、震災は終わっていない。
乃村工藝社の方々を見て、震災に対して無自覚でいた自分に、はっとさせられました。

今までは部分的に豊富な助成金があるし、世間の目も「被災地」に向いている。
(※注釈:国の費用が多く投入されていますが、対象は一部。
 寄付による助成金の種類や額は減り、今は倍率がはねあがっています)

しかし、きっと地域の人が思う以上に、お金も世間も早いスピードで離れているというのが現状だと思います。
そんな中で、地域の人が自立して経済を回していくという仕組みづくりが、今まさに直面している課題だと言えます。

鹿島さんが一貫しているのは、課題をみんなで共有し、解決に向けてみんなで合意形成をしていくこと。地元か外部かに関わらず、多くの人が自分のこととして考え、皆と協力しながら進めていくこと。
長い目で見たらとても大事なことですし、本にもさらっと書いてあることですが、簡単にはいかないということを思い知りました。
「リーダーが一人いて、その人に言われた通りにやる方が簡単」
という声もありました。確かにそうだと思います。
思考停止状態で言われた通りに物事を進ませ、失敗したら責任者に押し付ければいい。
ここに限らず、日本全体が今そんな状態になっているように思います。
だからこそ、いしのま★キッチンがやっていることは、とても尊いことだし、先進的なことだと思います。

と同時に、地元の人と同じ意識でプロジェクトを遂行している人が、その重責に耐えられるかどうか、が今後の鍵になってくるのかなと思いました。
例えばReady For?のように、支えている人を支えられるような、社会全体で応援できるような構造を考えていかなければなりません。
そのためにも、まずは足を運んで現実を見ること。顔を見て、話すことによって、繋がりができて、継続性のある支援の形が生まれます。
想像していたいしのま★キッチンとは大きく違っていましたが、だからこそ私はここに来て、ミーティングにまでお邪魔させて頂いて本当に良かったと心から思います。

改めて、今回お忙しい中受け入れを許可して下さった代表の鹿島様、事務局の佐藤様をはじめ、いしのま★キッチン、ぐるぐる応援団の皆様に感謝しております。
長期で関わる人が多い中、私のような短期の見学者は大分扱いづらい立場だったと思いますが、十分すぎる投資をして頂きました。密度の濃い日々でした。
アウトプットとして何を返していけるのか、それを考え、実行に移していきます!
本当にありがとうございました。


田嶋千尋@夢に向かって前進中♫

+。+。+。+。+。+。Special Thanks +。+。+。+。+。+。+。+。+。+。+。+。+。+。+。+。+。+。+。+
 
 ぐるぐる応援団 代表 鹿島です。

 利益率が低いといわれるランチタイムで
 営業時間が3時間の中で、今、人件費や原価のバランスに挑戦中。


 2/3は子育て中のママさんで15:00には帰宅。
 1/3は60歳以上で土日は車に乗れる人がいない。
 仮設からの通勤バスは本数が1日5本で、
 朝の仕込み時間も限られ、障がいを持つ方もいます。



 元事業主の方が3名いらっしゃり、意見の衝突も激しくあります。

 フルコミットできる人がいませんが、
 素晴らしく人間的なスタッフに恵まれ(得意も不得意も激しい!笑)
 つながりに恵まれ、出会いに恵まれ、
 このような挑戦が可能となっています。


 私たちだけでは、決して叶わない未来のための投資を
 可能にしてくださる様々な方々へ。
 応援してくださっている全ての皆さま。

 これだけの方々とつながりが私たちを支えてくださることに
 感謝を込めて・・・
  
乃村工藝社のプロジェクトを共にしてくださる方々

 東京からのボランティアということを飛びこえて、
 エプロンを持って現場に来てくださり、
 スタッフや鹿島の間をもちながら、
 コンセプトの再考や人と人との関係性の部分まで踏み込み、
 粘り強く関わってくださっている乃村工藝社の
 たくさんのプロジェクトメンバーの皆さま。

 平日にも関わらず、来てくださった
 浅野さん、加藤さん、中村さん、堀越さん、古長谷さん。

 人事部の高橋さん(SFCの大先輩でもあります)をはじめ、
 このように多くの優秀な方々を関わるために
 会社の制度として成立たせてくださった乃村工藝社の全ての皆さま。


 本当に、ありがとうございます。
 皆さんとの出会いが、大きな力になっています。

 これからも、改めてよろしくお願い致します。




<現在の内装費> 

 厨房機器を除いた内装の最低限の費用として、
 現段階で、270〜280万円程度の材料費が見込まれています。

 Ready For?のご寄付を通じて約60万程度、
 ヤフー!復興ベースを通じて20万円程度、
 Global Givingにより、交流型キッチンの新チャレンジを
 するための費用として65万円程度のご支援をいただくことを
 想定しています。 

 残り140万円程度については、段階的な工事としたり、
 より工夫をしたり、優先順位をつけるなど、
 さまざまな取組みを通して現実的な工事としていきたいと考えています。
 少し先になりますが、会計についてもご報告してきます。

 (乃村工藝社をはじめ、ボランティアの方たちが
 すべて手作業をしてくださることを想定した状態で
 材料のみとして換算してくださった費用です。
 本来はこの2倍程度になるはず・・・
 交通費などは含まれておらず、持ちだしをしてくださいます。
 津波で故障したままの電源や、動いていない厨房機器の撤去、
 棚などの取りつけ、交流型のキッチンのプラスなどを検討中)


●Ready For?の皆さま

 厨房機器(魚焼き器など)との兼合いで、費用を調整中ですが、
 約1/3超を内装のために使わせていただきたいと考えています。
 価格を抑えるため、無駄にしないために工期を分けながら
 少しずつ、手づくりで内装を進めていきます。


●ヤフー!復興ベースを通じてご寄付を下さる皆さま

 ただの修繕を超えた内装になりますが、
 これから、収益を出し、長くつづく事業になること、
 より多くの石巻の仕事をつくれること、
 地域にとって価値をつくれる場所になるように使わせていただきます!


●Global Givingの皆さま、ETIC.の皆さま

 交流型のキッチンをつくり、
 「いしのま★キッチン」の現在の営業時間を超えて、
 料理教室などの 小さなシェア仕事をたくさん生む
 取組みを行わせていただきたいと思います。


<組織の基盤強化のためにアドヴァイス、
サポートしてくださっている皆さま>
 
●日本NPOセンター/市民社会創造ファンドの皆さま
 メンターのあおみ先生

 この日のミーティングのためのスタッフさんの人件費、
 石巻からの交通費、会議室の費用を、組織基盤強化のサポートから
 出させていただきました。
 今、スタッフの皆が協力して人件費のバランスを
 35%以内におさえようと体力のめいっぱいまで
 シフト組みを工夫してくれている中で、
 話あいのための人件費が出すことに反対の意見もありました。
 皆に安心して会議に望んでいただけたのは、皆さんのおかげです。 

 
<同じチームの皆さん、これまで関わってくださっている皆さん>


●理事/幹事(予定)の神谷さん、小川さん、坂田さん、油井さん、
 赤澤さん、良雄さん&かとてつさん、櫻井の茜ちゃん

 報告がなかなかできていなくてごめんなさい、
 遅ればせながらの法人化、進めています・・・!!

●ホームページ/デザインに関わってくださっている

 順子さん、さちさん、ふわふわさん、古屋さん
 多くの方とつながるためのベースをつくり、
 キープしてくださりありがとうございます。


●「いしのま★キッチン」のスタッフの皆へ
 
 共に、挑めることに愛を込めて....
 つぎのフェーズに、皆ですすんでいることをうれしく思います。

●ETIC.の右腕として1年間関わってくれたヒロちゃん、なべちゃん、
川上くん、茜ちゃん

 ETIC.の右腕として1年間関わってくれた
 なべちゃん、ヒロちゃん。
 新しい場所での仕事はどうですか?
 
 茜ちゃん、就職活動、がんばっていますか?
 川上くん、今でもありがとう!

 スペシャルミーティング、みんなにも見てもらいたい内容でした。
 話し合いにもならなかった半年前から、少しずつ進んで、
 本当のコンセプトワークができるようになってきています。

そしてこれまで立上げに関わってくれたトッキー、光樹、
 海ちゃん、ぴーちゃん、じゅんじゅん、ケント、
 ゆっこ、もえちゃん、はるなちゃん、沙耶ちゃん、
 さっちゃん、もなちゃん、がっきー、有田くん、しょーちゃん

 みんなの力があわさって、今、ここまでこれています!

石黒くん、翼くん
 これからのふたりの活躍に期待!


●千尋ちゃん

 長い時間におよぶ会議のメモをありがとう!

●ボランティアで関わってくださった皆さま
●応援してくださっているすべての皆さま

 本当にありがとうございます。
 これからも、長く、見守りながら、共に歩んでいただけると幸いです。



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